【海外ドラマ】クローザー(原題:The Closer):シリアスかつクスっと笑いもある登場人物全員キャラ濃い本格犯罪捜査系ドラマ

海外ドラマ

作品紹介

タイトル:クローザー(原題:The Closer)

放送期間:2005年6月〜2012年8月

シーズン数:7

主演:キーラ・セジウィック

スピンオフ:Major Crimes 重大犯罪課(2012年8月〜2018年1月)

犯罪捜査系の海外ドラマが好きな人ならハマるはず!

今回話すのは私が一番大好きな作品、「クローザー」です。

好きすぎてDVDまで購入。

事件(手口)の凝り方とか、捜査官たちの面白さとか、捜査方法の斬新さとか、事件の規模とか、あるいは恋愛模様だとか…

犯罪捜査系の海外ドラマってどれかに偏りがちなところがあると個人的には思うんですよね。

それが面白くないという意味では全くなくて、ただ、「なんでそんな事件起こしちゃったのよ」という部分が見えないことが多い気がします。

別にそこにフォーカスを当ててないんだから全体が面白ければ良くね?と言われればそれまでなんだけど(笑)、私は動機が気になるタチなので、クローザーはそんな方におすすめのドラマですね。

自供をさせるってことは当然動機を明らかにするわけで、なぜその動機を持つに至ったのかまで突き止める、そして証拠を積み上げて犯人を追い詰めるんですね。事件によりけりですが、自供の中で捜査中に突き止められていなかった新事実も出たり。

故に事件を起こした犯人に同情したくなるエピソードも中にはあったりします。

言い逃れができないよう証拠を突きつけながら、「この時あなたはこう思ったのよね?だからこうしたのね、そうでしょ?」とじりじり攻めます。証拠を掴まれているから犯人は自ら説明(弁解)したがって最終的に告白してしまうんです。

計画的な犯行か、衝動的な犯行か、意図せず起こってしまったのか、など、それにより刑の重さも変わってくるからそこもはっきりさせないといけない。「殺すつもりなんてなかった」と多くの犯人が言いますが、計画性は証拠で示されるので言い逃れできなくなるし、時に証拠がなくても巧みな言葉で犯人から引き出して計画性があったことを話させるんです。しびれる!

このドラマは尋問シーンの掛け合いが最高です。

それからどのキャラもクセが強いんですけど、観進めていくともれなく全員好きになります。

言うまでもなく主人公のブレンダが一番クセ強いと思いますが(笑)

スイーツ依存症で甘いお菓子を食べるシーンがめっちゃ出てきます。砂糖制限をしたりもしますがチームのみんながドーナツを目の前で食べたりするのでそのドーナツに見とれたり。

ブレンダは40代くらいの女性なんですが、その年代ならではの悩みが描かれているのも面白いですね。恋愛、身体、家族の問題など。事件だけのシリアスすぎる内容じゃないのも良いところ!

フリッツというFBI捜査官といい感じになっていくんですが、この関係性も良き!

警察とFBIはバチバチしているので仕事上は対立することもあるのですが、支えあいながら愛を育んでいきます。フリッツの懐の広さには驚くときもあるけど(笑)

ブレンダのパパとママももれなくキャラが濃くてブレンダでさえタジタジになるほどですが、そんな彼らの深い家族愛はこのドラマには欠かせない要素の一つですね。

とにかくめちゃくちゃ面白いのでぜひ観てほしい作品です!

ポイント

尋問のプロであり事件を終わらせる”クローザー”としてロス市警(LAPD)に赴任してきた主人公ブレンダを中心に捜査官たちが活躍していくストーリーに沼ります。

  • 主人公のブレンダ=超有能だけど決して完璧じゃないそんな愛らしいキャラに虜に
  • 登場人物全員個性的=主人公を取り巻く人仲間・上司・家族も全員キャラが濃い・・・その中で繰り広げられる会話が癖になる
  • 1話完結型:一事件ごとにオチがあってスッキリ観られる
  • 基本の構成:事件発生→捜査(現場検証・解剖・調査・取り調べ)→犯人逮捕(裁判シーンは少ない)
  • 犯行の動機:自白が重要な要素なので何故事件を起こしたのか背景まで詳細に描かれている濃いストーリー性
  • 捜査以外:私生活の問題も描かれた親しみやすいキャラ設定・・・良くも悪くも事件により影響を受けていくシーズンごとのプライベートの彼らにも目が離せない

主人公”ブレンダ”と主要キャラたち

ロス市警 本部長補佐のブレンダ・リー・ジョンソン。女性。南部出身の訛りで”Thank you(ありがと、よろしくねの意)”が決まり文句。

友人のロス市警副本部長ポープ(シーズン1時点)に引き抜かれ、アトランタ市警からロス市警に赴任してくるところから物語は始まります。

殺人事件が発生し、夜に現場に集まった捜査員たち。強盗殺人課のフリン警部補を先頭に、監察医から被害者についてレポートを受けている途中にブレンダ入場!

ショッキングなご遺体を見てのブレンダ第一声は「愛情のもつれね」なのですが、これが事件のカギなのです。これ、ファイナルシーズンにも出てくる大事なセリフなので覚えておくとマジでしびれます!

ブレンダは”殺人特捜班の人間で且つ外部から来たよく分からない女”と市警の人間から思われているのでそもそも周りからの風当たりが強い。強盗殺人課の面々は、なんで殺人特捜班が来るのか、と早々に突っかかります。

強盗殺人課と殺人特捜班の対立もこのドラマのおもしろ要素の一つ。

特に強盗殺人課のテイラー警部(シーズン1時点)はめちゃくちゃブレンダが嫌いです。

彼は出世の権化。昔気質で被疑者に圧力をかけて(脅して)自供を取って、決定的な証拠がなくても起訴に持ち込むタイプ。

その脅しが度を過ぎることも多々あって裁判が危うくなることもしばしばのようで、そんな市警を改革するために作られたのが殺人特捜班です。

そのチームの責任者に選ばれたのがブレンダなのですが、彼女は実は元CIAのエージェント。自供を引き出すプロで、ロス市警でもその腕を見込まれて赴任してきました。

事件を終わらせる人=クローザー、それがブレンダなのです。

証拠を積み重ねて尋問で犯人を落とす、その過程の捜査方法は今までのテイラーのやり方は異なるし、なおかつ自分のテリトリーを侵されることにたびたび憤慨する彼の殺人特捜班をつぶそうと奮闘する姿も面白い。

※殺人特捜班はのちに重大犯罪課に改称します。

殺人特捜班の主要メンバーはロス市警きっての精鋭集団。

  • プロベンザ警部補:年長者。白髪おやじその1。堅物のベテラン。走らない(被疑者が逃げても下の人間に追わせる)。口は悪いが憎めない皮肉屋。このご時世にその発言はよろしくないでしょ、ということも気にせず口に出すのでしばしばブレンダに怒られる。口癖は「犯人は夫/妻に決まってる」。離婚経験3回で人生経験豊富なブラックユーモアに溢れたおじぃ。本人は隠すが仲間を想う情に熱い部分がちらほら垣間見える。本作品からスピンオフに至るまで登場しているが、たびたび事件を起こしてしまうトラブルメーカーの一人。
  • フリン警部補:白髪おやじその2。シーズン当初は強盗殺人課所属。こちらも堅物のベテラン。テイラー同様にブレンダが嫌いで殺人特捜班を邪魔することばかりしていて、一度やりすぎて降格の危機にまで直面する。シーズン1中に、過去の担当事件で誤認逮捕の可能性が浮上した時に、テイラーに見放されたがブレンダが彼を信じて行動し事件を解決したところから態度を改め殺人特捜班に転属してくる。プロベンザと並んでトラブルメーカーでもある。
  • タオ警部補:スキンヘッド。医学部に通っていたこともあり科学とIT系に強く、元は鑑識課に所属。彼のデスクには魔法のバッグと呼ばれる鑑識セットが常備されていて、タオ自ら指紋採取を行うシーンもしばしば。優しい知的おじ。ただとにかく話が長くて回りくどく、専門用語満載で話すので周りからうざがられる。
  • サンチェス刑事:情に熱くこわもて。ラテン系でスペイン語も話す。キレやすいのがたまにキズで、セラピーやアンガーマネジメントに通うことになったりもする。シーズンを通して何度か撃たれたり、家族の悲劇に見舞われたり、怒涛の人生を送っている。美人には目がないようで誘惑するシーンもちらほら。
  • ガブリエル巡査部長:ブレンダの右腕的存在。元は強盗殺人課に所属していてテイラーに手塩に掛けて育てられたキャリア組寄り。ブレンダが全く気にしない組織内の政治的なことまで考えて行動できるため、ブレンダを諭すこともよくある。育ててくれたテイラーへの恩を感じつつ徐々にブレンダに信頼を置く中で両者の板挟みになることも多い。普段は冷静だが事件によって感情が爆発してしまうこともあり一線を越えて窮地に立つことも。
  • ダニエルズ刑事:才色兼備。被疑者の財政的調査のプロでブレンダも信頼を置く。男勝りな部分もあり、同僚に下品なジョークを言われても軽くあしらう。
  • バズ:IT系のプロ。現場や尋問の録画や監視カメラ捜査までを行う。警察官ではなく警察署に勤務する市民という位置づけ。プロベンザやフリンのせいでトラブルに巻き込まれることが多い。何か言われても皮肉には皮肉で返すタイプでプロベンザも言い返せなくなる。チームにいなくてはならない存在。

その他の主要メンバー(ネタバレになるので階級は初期のまま記載)

  • ポープ副本部長:ブレンダの訳ありな古い友人。本部長昇進を目指し日々奮闘。ブレンダを呼び寄せた責任があるため、問題を起こさないよう目を見張ってはいるが結局振り回されていつも頭を抱えている。きつい態度を取ることもあるがブレンダを思っての行動であることが多い。女性問題には事欠かない。それ故、ブレンダに呆れられることもあるプレイボーイ(おじさん)。
  • テイラー警部:前述したが出世の権化。シーズン初期は強盗殺人課所属。ブレンダは当然のこと、殺人特捜班の存在自体が気に入らず何かと妨害工作を行う。だが悪党を憎む気持ちはみんなと同じで、恥を忍んでブレンダに頼み込んで事件に打ち込む姿も。目立ちたがりでマスコミ対応が得意なところを特捜班に事件解決の手段の一つとして利用されることもしばしば。最初は嫌なやつだが頭の切れる根は部下思いのおじさん。
  • レイダー警部:シーズン後半に登場。内部調査課所属。課の性質上、組織の中の嫌われ役で堅物として有名。警察官による違法行為を見逃さないことが市警を守ることに繋がるため全力で取り組んでいる。ある事件から特捜班と絡むことになり、予算度外視で規則違反スレスレで捜査をするブレンダとはよく対立する。頭の切れるやり手なのは間違いなく、反発は依然強いものの徐々に特捜班から一目置かれる存在になっていく。
  • フリッツ:FBI特別捜査官。ブレンダがLAに越してくる前からの知人で、恋仲に発展し、ブレンダの良き理解者となっていく。FBIの立場をよく利用されて、捜査をこっそり手伝わされることも。時に、捜査に没頭したブレンダからひどい扱いを受けることもあるが、広い心で最後は包み込んであげる紳士。敏腕捜査官の腕を見せるシーンもちらほら。

色々な犯罪捜査系の海外ドラマを観ているけどここまで作り込まれてる作品にはまだ出会えてないですね。

大体こういうジャンルって捜査する側と犯人側のどちらかにフォーカスされて作られると思うんだけど、そうなると、犯人の動機ってなに?とか、その捜査方法で逮捕できるの?(無理やり家乗り込んじゃってたりね)とか、気になるところが多々出てくると思う…けどクローザーは違うんです!

詳細な捜査過程から犯人がどんな動機を持って行為に至ったのかを尋問を通して描いてくれてるから超引き込まれます!そして根本の事件がとても練り込まれてるからこそのストーリー展開!

多くの人に観てほしい作品です。

ちなみに「Major Crimes 重大犯罪課」はスピンオフですが、ほぼ続編のようなもの(笑)

クローザー観たらそのままこちらの鑑賞タイムへどうぞ(笑)

キャストもほぼ同じで安心できるキャラ達。

主軸は司法取引になりますが、クローザー内で起きた色々な問題がこちらに繋がっていて、クローザーとは一味違う解決の仕方にもれなくハマります。

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